暮らしと福祉 | WELFARE-001

社会福祉法等が改正されました

これからの福祉は、私たちの暮らしとどう関わるのか

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参考資料

本記事は、厚生労働省が公表している 「社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要」をもとに、 今回の法改正について整理しています。

これからのお話は、下記の厚生労働省の資料に沿って 順番に見ていきます。 できれば資料を印刷するか、別の画面に表示して、 お手元で見比べながら読み進めていただくと、 改正の全体像をより理解しやすくなります。

厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要」

2026年、社会福祉法等が改正されました

2026年、社会福祉法をはじめ、介護保険法、老人福祉法など、 福祉に関係する複数の法律を改正する法律が成立しました。

今回の改正は、一つの制度だけを見直すものではありません。

地域の福祉体制や介護サービス、成年後見制度、有料老人ホーム、 福祉人材の確保、災害時の福祉支援など、 これからの福祉を支える仕組みを幅広く見直す内容となっています。

厚生労働省の概要資料では、 改正内容を大きく三つに分けています。

1.地域の実情に応じた包括的な支援体制の拡充

2.福祉人材の安定的な確保及び定着支援

3.支援基盤の強化等

その背景には、多様で複雑な福祉ニーズに対応した包括的な支援を 確保するとともに、質の高い福祉サービスと安定した経営基盤の 両方を実現していこうという考えがあります。

地域の福祉の仕組みが大きく変わります

今回の改正の一つ目、 「地域の実情に応じた包括的な支援体制の拡充」には、 六つの改正が盛り込まれています。

・小規模市町村における包括的な支援体制の整備

・中山間・人口減少地域における介護サービスの仕組みの見直し

・頼れる身寄りがいない高齢者等への支援

・成年後見制度や地域における権利擁護に関する支援

・有料老人ホームに関する新たな制度

・介護保険事業計画などの見直し

といった内容です。

暮らしている地域によって、人口や年齢構成、 利用できる福祉・介護サービス、 支援を担う人や事業者の状況は異なります。

また、家族のあり方や暮らし方も変化しています。

今回の六つの改正は、それぞれ対象や仕組みは異なりますが、 地域や家族を取り巻く環境が変わる中で、 これから必要となる支援をどのように地域で支えていくのか という点で、私たちの暮らしにつながっています。

では、それぞれ何が変わるのか、 私たちの暮らしとの関わりを考えながら見ていきましょう。

湖と山々が広がる自然の風景

福祉を支える「人」と「仕組み」も変わります

今回の法改正では、福祉サービスを利用する人への支援だけでなく、 その支援を担う人や、地域で福祉を続けていくための仕組み についても見直しが行われます。

二つ目の柱は、 「福祉人材の安定的な確保及び定着支援」 です。

国や都道府県が、地域の事業者や養成施設などと連携して 福祉人材の確保に取り組むことや、 介護現場の生産性向上、事業者の経営改善を支援する仕組みなどが 盛り込まれています。

また、介護支援専門員、いわゆる ケアマネジャー については、研修の受講を要件としていた資格更新の仕組みを 廃止するなど、法定研修の見直しが行われます。

そして三つ目の柱が、 「支援基盤の強化等」 です。

地域の社会福祉法人などが連携する 「社会福祉連携推進法人」が行える事業を広げることや、 災害時に福祉的な支援を必要とする人を支える 災害派遣福祉チーム(DWAT) について、人材登録の仕組みを整備することなどが 盛り込まれています。

私たちの暮らしに置き換えてみると

法律の言葉だけを読むと、 少し難しく感じるかもしれません。

けれども、私たちの暮らしに置き換えてみると、

・介護が必要になったとき、地域で必要なサービスを受けられるか

・困ったときに相談できる人や場所があるか

・介護や福祉を支える人たちが、地域で働き続けられるか

・人口が減っていく地域でも、必要な支援を続けられるか

・災害が起きたとき、福祉的な支援を必要とする人にも支援が届くか

といった、とても身近な問題につながっています。

福祉の制度は、 法律に仕組みが書かれているだけでは成り立ちません。

支援を必要とする人がいて、その支援を担う人がいて、 さらに、その支援を地域で続けられる仕組みがあって、 はじめて私たちの暮らしの中で機能します。

今回の法改正は、 「どのような支援を行うか」だけではなく、 「その支援をこれからも地域で続けていくにはどうすればよいか」 まで含めて見直そうとしている と考えると、全体像が少し分かりやすくなるのではないでしょうか。

① 小さな市町村でも、分野を越えて相談を支えられる仕組みへ

最初の改正は、 「小規模市町村における包括的な支援体制の整備」 です。

厚生労働省の資料では、小規模な市町村でも、 分野を越えた相談支援や地域づくりなどを 実施しやすくするための新しい仕組みを設けることが 示されています。

なぜ、この見直しが必要なのでしょうか

福祉の制度には、介護、障害、こども、 生活困窮など、それぞれの分野に応じた 相談や支援の仕組みがあります。

しかし、小規模な市町村では、 それぞれの分野ごとに十分な人員や体制を 確保することが難しい場合があります。

一方で、実際の暮らしの中で起こる困りごとは、 必ずしも一つの制度だけで解決できるとは限りません。

分かりやすくすると

これまでの制度を入り口だけで見ると、

「介護の相談はこちら」

「障害についてはこちら」

「子育てについてはこちら」

「生活に困っている場合はこちら」

というように、相談する内容によって 制度や窓口が分かれています。

けれども、一つの家庭の中で 介護と子育ての問題が同時に起きたり、 収入、住まい、介護など複数の問題が 重なったりすることもあります。

今回の改正では、小規模な市町村でも、 こうした分野を越えた支援に取り組みやすくし、 必要に応じて都道府県や周辺の市町村などから 支援を受けられる仕組みが整えられます。

私たちの暮らしから考えると

困りごとが複数重なったとき、

「自分の困りごとは、いったいどこに相談すればいいのだろう」

と迷うことがあります。

今回の見直しは、 単に「一つの相談窓口をつくる」ということではなく、 制度や分野の境目で支援からこぼれ落ちないように、 地域全体で支える体制をつくりやすくすることに 意味があると考えられます。

ただし、人口や人員、交通事情、 利用できるサービスなどは地域によって異なります。

そのため、実際にどのような支援体制になるのかは、 それぞれの地域の実情によって違ってくると考えられます。

② 人口が減っていく地域でも、介護サービスを続けていくために

二つ目は、中山間地域や人口が減少している地域で、 必要な介護サービスを維持していくための見直しです。

人口が減っていく地域では、 介護サービスを利用する人だけでなく、 介護を担う人や専門職も少なくなっていきます。

また、訪問介護などでは、 利用者の自宅と自宅の間を移動する距離が長くなるなど、 都市部とは異なる事情があります。

そのため、

「住んでいる人が少ないから、介護サービスを続けられない」

という状況をできるだけ避けるため、 地域の実情に応じてサービスを維持しやすくする 新しい仕組みが設けられます。

「特定地域サービス」という新しい仕組み

今回の改正では、中山間・人口減少地域を対象として、 「特定地域サービス」 という新しい類型が設けられます。

これは、全国でまったく同じ方法だけを求めるのではなく、 地域の実情に応じて、職員の配置基準を弾力化したり、 月単位の定額報酬など、 包括的にサービスを評価する仕組みを 導入できるようにするものです。

さらに、それでもサービス提供体制を維持することが 難しい地域については、 「特定地域居宅サービス等事業」 という仕組みも設けられます。

これは、市町村が地域支援事業として介護保険の財源を活用し、 居宅サービスなどを実施できるようにする仕組みです。

分かりやすくすると

人口や介護人材の状況が大きく異なる地域に、 全国一律の仕組みだけを当てはめるのではなく、 地域の実情に合わせた方法も選べるようにする ということです。

これは単に基準を緩くするということではなく、 現在の仕組みのままではサービスを維持することが 難しい地域でも、必要な介護を続けられるようにするための 見直しと考えることができます。

私たちの暮らしから考えると

介護が必要になったとき、

「どこに住んでいても、必要な支援を受けられること」

は、とても大切なことです。

一方で、地域に合わせて仕組みを柔軟にするのであれば、 サービスの質や、必要な人が実際に利用できる体制が 保たれることも重要です。

実際に地域でどのように運用されていくのかは、 これから確認していきたいところです。

③ 「頼れる身寄りがいない高齢者等」への支援が福祉の仕組みに

三つ目は、 「頼れる身寄りがいない高齢者等」への支援 です。

厚生労働省の資料では、 頼れる身寄りがいない高齢者等に対して、

・日常生活の支援

・入院などの手続の支援

・亡くなった後に必要となる事務の支援

を行う事業を、 第二種社会福祉事業として位置づけることが 盛り込まれています。

あわせて、こうした人たちからの相談を受け止め、 必要な支援につなげていくための体制も 整備されます。

「第二種社会福祉事業」になるとは?

ここで注意したいのは、

「身寄りのない人のことを行政が すべて引き受けてくれるようになる」

という意味ではないことです。

今回の改正で大きいのは、 これまで家族や親族などが担ってきたと考えられる 日常生活の支援や入院などの手続、 亡くなった後の事務について、 社会福祉法の中に支援の仕組みとして 位置づけられることです。

新しい事業は、 「福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業」 として位置づけられます。

また、一定の割合以上の利用者に、 無料または低額な料金で支援を提供することなどが 要件となります。

私たちの暮らしから考えると

たとえば、入院するときには、 入退院の手続や緊急連絡先、 費用の支払いなど、 本人だけでは対応が難しいことがあります。

また、亡くなった後には、 葬儀や納骨、家財の処分、 行政への届出など、 さまざまな手続が必要になります。

これまで、こうしたことの多くは、 家族や親族が担うことを前提として 考えられてきた面があります。

しかし、 家族がいることと、 実際に頼れる人がいることは同じではありません。

家族が遠方に住んでいることもあれば、 家族自身が高齢であったり、 さまざまな事情から支援を頼むことが 難しかったりすることもあります。

今回の法律が 「身寄りがない人」ではなく、 「頼れる身寄りがいない高齢者等」 という表現を使っていることも、 こうした現実を考えるうえで大切な点だと思います。

まだ、これから決まっていくこともあります

法律によって支援の枠組みが設けられましたが、 これだけで実際の運用のすべてが 決まったわけではありません。

どのような人が支援の対象となり、 地域でどのような支援の仕組みがつくられていくのか。 制度の具体化とともに確認していく必要があります。

④ 認知症などで判断する力が十分でない人を、地域で支える仕組みへ

四つ目は、成年後見制度や地域における 権利擁護の支援に関する見直しです。

認知症や障害などによって、 契約や財産管理、福祉サービスの利用手続などを 自分だけで行うことが難しい人がいます。

今回の改正では、成年後見制度や地域における 権利擁護の仕組みを適切に利用できるよう支援する 中核的な役割を担う機関として、 「地域権利擁護相談支援センター」 を設置できるようになります。

「権利擁護」とは何でしょうか

「権利擁護」という言葉は、 少し分かりにくいかもしれません。

たとえば、

・福祉サービスの内容を理解して契約することが難しい

・お金や財産を自分だけで管理することが難しい

・行政や福祉に関する手続を一人で行うことが難しい

といった場合があります。

そのようなときに、 本人の意思をできるだけ尊重しながら、 暮らしや財産、権利を守るために 必要な支援を行うことが「権利擁護」です。

私たちの暮らしから考えると

私たちは普段、契約をしたり、 お金を管理したり、必要なサービスを選んだりしながら 暮らしています。

けれども、認知症などによって、 契約や財産管理、さまざまな手続を 自分だけで行うことが難しくなることがあります。

そのとき大切なのは、

「誰が代わりに決めるのか」だけではなく、 「自分で決められることは自分で決めながら、 難しいところをどのように支えてもらうのか」

という視点ではないでしょうか。

これは、家族がいる人にも、 頼れる家族や親族がいない人にも関係する問題です。

必要なときに成年後見制度や地域の権利擁護支援へ 適切につながることができるのか。

そして、本人の意思を尊重しながら 支える仕組みを地域の中でどのようにつくっていくのかが、 大切になってくると考えられます。

⑤ 有料老人ホームを、より安心して選べる仕組みへ

五つ目は、有料老人ホームに関する制度の見直しです。

有料老人ホームには、 提供されるサービスや費用、運営の方法などが それぞれ異なるさまざまな施設があります。

今回の改正では、 中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホーム について、都道府県等への新たな登録制度が 導入されます。

また、登録された有料老人ホームの入居者に対して 相談支援を行う 「登録施設介護支援」 など、新しい仕組みも設けられます。

「届出」と「登録」は何が違うのでしょうか

有料老人ホームには、これまでも 都道府県等への届出の仕組みがあります。

今回の改正は、 すべての有料老人ホームが 届出から登録へ変わるということではありません。

一定の要件に該当する有料老人ホームについて、 新たに登録制度を設け、 その運営やサービス提供を制度の中で より明確に位置づけていくものです。

私たちの暮らしから考えると

高齢になって住まいを選ぶときには、

「どんな施設なのか」

「どのような介護を受けられるのか」

「費用はいくらかかるのか」

「介護が必要になっても暮らし続けられるのか」

など、確認したいことがたくさんあります。

制度が変わることによって大切なのは、 利用する人や家族が、 施設の特徴や受けられる支援を理解したうえで、 自分に合った住まいを選びやすくなることではないでしょうか。

新しい登録制度が、実際にどの施設を対象とし、 利用する人にとってどのような変化につながるのかは、 制度の具体化とともに確認していきたいところです。

⑥ 地域に必要な介護サービスを、これからも確保していくために

六つ目は、 介護保険事業計画などの見直しです。

市町村や都道府県は、 地域でどのくらいの介護サービスが必要になるのかを見込みながら、 介護保険事業計画・介護保険事業支援計画を策定しています。

今回の改正では、 これまでの計画に加えて、 介護サービス量の中長期的な推計や、 将来にわたってサービス提供体制を確保するための取組 を計画に盛り込むことになります。

2040年など、より先の将来まで見据えながら、 地域にどのような介護サービスが必要になるのかを考え、 必要な体制を整えていこうという見直しです。

サービスを支える「人」のことも考える

介護サービスは、 施設や制度があるだけでは提供できません。

実際に介護を担う人がいて、 はじめてサービスを続けることができます。

今回の改正では、都道府県が策定する 介護保険事業支援計画について、 人材確保、生産性向上、経営改善に関する 取組内容や目標 も盛り込むことになります。

将来必要となる介護サービスの量だけを見るのではなく、 そのサービスを地域でどのように支え続けていくのかまで 考えていくことになります。

私たちの暮らしから考えると

私たちにとって大切なのは、

「自分が暮らしている地域に、 必要な介護サービスがあるか」

「介護が必要になったとき、 実際に利用できる体制があるか」

ということです。

人口の増減や高齢化の状況は、 地域によって大きく異なります。

だからこそ、現在の状況だけではなく、 これから先の地域の姿を見据えて 必要なサービスを考えていくことが重要になります。

また、今回の改正には、 介護保険の資格確認を電子的に行う仕組みなど、 介護保険事務の見直しも含まれています。

こうした仕組みが実際の手続に どのような変化をもたらすのかについては、 今後の具体的な運用を確認していく必要があります。

制度や計画の見直しで最終的に大切なのは、 必要になったときに、 住んでいる地域で必要な介護を受けられるのか ということではないでしょうか。

青い海と砂浜が広がる自然の風景

制度が変わることと、暮らしが変わること

ここまで見てきたように、今回の法改正には、 地域の相談支援、介護サービス、 身寄りを頼ることが難しい人への支援、 権利擁護、有料老人ホーム、 介護を支える人材など、 さまざまな内容が含まれています。

一つひとつは、 別々の制度の話に見えるかもしれません。

けれども、制度が目指していることと、 私たちが実際の暮らしの中で その支援を受けられることは、 必ずしも同じではありません。

法律によって新しい仕組みが設けられても、 それを担う人や事業者が必要です。

地域によって、人口も、福祉を担う人の数も、 利用できるサービスも異なります。

だからこそ、法律に何が書かれているのかを 知るだけではなく、

「実際に地域でどのような仕組みになるのか」

「必要とする人が、その支援につながることができるのか」

というところまで見ていくことが大切です。

今回の改正によって、 これからの福祉の方向性が示されました。

その仕組みが実際の地域や暮らしの中で どのように形になっていくのか。

そこまで見ていくことで、 今回の法改正が私たちにとって どのような意味を持つのかも、 少しずつ見えてくるのではないでしょうか。

今回の改正を、まず「知る」ところから

「社会福祉法等の改正」と聞くと、 自分にはあまり関係のない、 難しい法律の話に感じるかもしれません。

けれども今回見てきたのは、

・地域で必要な福祉や介護を受け続けられるか

・困ったときに相談できる場所があるか

・家族だけに頼らず、必要な支援につながることができるか

・自分の意思や権利を守りながら生活できるか

・高齢になったとき、自分に合った住まいを選べるか

・それらを支える人や仕組みを、 これからも地域で維持できるか

という、私たちの暮らしにつながることでした。

制度について知ることは、 すぐに何かを決めたり、 準備を始めたりすることではありません。

まず、

「社会の仕組みが、 どのように変わろうとしているのかを知っておく」

それだけでも、いつか自分や身近な人に 支援が必要になったとき、 考えるための一つの手がかりになるのではないでしょうか。

制度の具体化や、 私たちの暮らしに関わる新しい動きがあったときには、 必要に応じて、分かりやすく整理して お伝えしていきたいと思います。

情報について

本記事は、厚生労働省が公表している資料などをもとに、 2026年8月時点で確認できる情報を整理したものです。

法律の施行時期や具体的な制度の内容、 実際の運用方法などについては、 今後変更・具体化される場合があります。

実際に制度を利用する場合には、 厚生労働省や自治体などが公表する 最新の情報をご確認ください。

本記事の作成にあたっては、 情報の整理や文章表現の補助として生成AIを使用し、 内容は当法人において確認・編集しています。

更新履歴

2026年8月12日 公開

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