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【施設・ホーム】有料老人ホームのしくみ

2026年の改正で何が変わるの?

公開日:

有料老人ホームって、みんな同じしくみ?

「有料老人ホーム」と聞くと、食事や生活の支援を受けながら暮らすところ、介護が必要になったときに入るところ、というイメージを持つ方も多いかもしれません。

ところが、有料老人ホームにはいくつかの種類があり、ホームの中で介護を受けるのか、外部の介護サービスを利用するのかによっても仕組みが違います。

そして2026年、有料老人ホームについて、入居者を守るための仕組みを見直す法律が成立しました。

この記事では、まず現在の有料老人ホームの仕組みを整理したうえで、2026年の改正で何が変わるのかを順番に見ていきます。

1.そもそも「有料老人ホーム」って、どんなところ?

有料老人ホームは、高齢者が暮らしながら、食事、介護、家事、健康管理などのサービスを受けることができる住まいです。

老人福祉法では、こうしたサービスのうち一定のものを高齢者に提供する施設を「有料老人ホーム」として位置づけています。

ただし、どの有料老人ホームでも同じ方法で介護サービスが提供されているわけではありません。

今回の制度改正を理解するうえで、特に知っておきたいのが、「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の違いです。

2.「介護付き」と「住宅型」は、何が違うの?

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、介護保険法に基づく「特定施設入居者生活介護」などの指定を受け、ホームが介護サービスを一体的に提供する仕組みです。

分かりやすくいえば、「住む場所」と「介護を受ける仕組み」が一体になっているホームです。

住宅型有料老人ホーム

一方、住宅型有料老人ホームでは、介護が必要になった場合、訪問介護や訪問看護などの外部サービスを利用しながら生活します。

つまり、基本的には「住むホーム」と「介護サービスを提供する事業者」は別という仕組みです。

「介護付き」は住まいと介護が一体。「住宅型」は住まいと外部の介護サービスを組み合わせて暮らす。

この違いが、今回の制度改正を理解する大切なポイントになります。

介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの介護サービス提供の仕組みの違い
介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームでは、介護サービスを受ける仕組みが異なります。

3.なぜ、有料老人ホームの制度を見直すの?

近年は、住宅型有料老人ホームにも、介護の必要性が高い人が多く暮らすようになっています。

そのため、実際に高齢者の暮らしを支える役割では介護付きホームと住宅型ホームが近づいている一方で、両者には人員や運営などに関する制度上の違いがあります。

そこで2026年の改正では、特に入居者を保護する必要性が高い有料老人ホームについて、新たな登録制度を設けることになりました。

そして、もう一つ大きな課題として取り上げられてきたのが、住宅型ホームで暮らす人が介護サービスを自分で選べる環境です。

4.住宅型では、介護サービスを自分で選ぶのが基本

住宅型有料老人ホームでは、住まいと介護サービスは別の仕組みです。

そのため、介護が必要になったときには、本人の状態や希望に応じて、訪問介護、訪問看護など必要なサービスを選んで利用することになります。

ところが一部では、ホームに併設・隣接する事業所や、ホームと同じ法人・関連する法人の介護サービスへ利用を限定したり、利用するよう誘導したりする事例が指摘されてきました。

また、入居者本人のニーズを超えた介護サービスの提供につながるケースも課題とされています。

厚生労働省では、このような問題を「いわゆる『囲い込み』」と表現しています。

ここでいう「囲い込み」は、入居者をホームの中に閉じ込めるという意味ではありません。
ホームへの入居と、特定の介護サービス事業者の利用が事実上セットになるような状態を指して使われている言葉です。

もちろん、ホームと同じ法人や関連法人の介護サービスを利用すること自体が問題なのではありません。

大切なのは、本人が説明を受け、必要なサービスを理解したうえで、自分に合ったサービスを選べることです。

5.新しく「登録制」が始まります

2026年の法改正では、有料老人ホームのうち、中重度の要介護者など、特に保護の必要性が高い人を入居対象とするホームについて、新たな登録制度を設けることになりました。

ここで注意したいのは、すべての有料老人ホームが一律に登録制になるわけではないということです。

どのような人を入居対象としているホームなのかなどによって、登録の対象になるかどうかが決まります。

なお、登録対象となる人や登録基準の具体的な内容については、2026年9月18日の厚生労働省の検討会でも、施行に向けた案が示され、検討が続けられています。

「登録制度を設けること」は法律で決まっていますが、「具体的な登録基準」には、まだ検討中の内容があります。

2026年改正で有料老人ホームに導入される登録制、介護サービスの選択、相談・ケアマネジメントの見直しを示した解説図
2026年改正で有料老人ホームはどう変わる? 登録制、介護サービスの選択、相談・ケアマネジメントの見直しを整理しています。

6.登録されるホームには、どんなルールができるの?

新しい登録制度は、単に役所への手続を一つ増やすためのものではありません。

登録対象となるホームには、入居者を守るため、契約、人員、設備、運営などについて基準が設けられます。

また、登録対象となる住宅型ホームについては、入居者が必要な介護サービスを適切に利用できるよう、相談支援の仕組みも見直されます。

2026年9月18日に示された厚生労働省の資料では、人員配置や夜間・緊急時の対応など、登録基準のより具体的な案も検討されています。

ただし、これらの細かな内容には現時点で「案」の段階のものが含まれるため、今後の政省令などを確認する必要があります。

7.「このホームに入るなら、この事業所を使ってください」は?

今回の改正では、住宅型ホームにおける介護サービスの選択についてもルールが強化されます。

登録対象となる住宅型ホームでは、特定の介護サービス事業者を利用することを入居の条件にすることを禁止する仕組みが設けられます。

厚生労働省では、同じ法人や関連法人のサービスだけに利用を限定したり、特定の事業者の利用を事実上求めたりすることなどを防ぎ、入居者がサービスを選択できるようにするための具体的なルールを検討しています。

つまり、「どこに住むか」と「誰から介護サービスを受けるか」は、本来別の選択だということです。

8.ケアマネジメントの仕組みも変わります

登録対象となる住宅型ホームの入居者については、介護保険制度に新たな相談支援の仕組みが設けられます。

改正法では、「登録施設介護(予防)支援」という仕組みが設けられ、ケアプランの作成だけでなく、本人の地域での暮らしに関する相談も含めて支援することとされています。

ここでも大切になるのが、ホームとケアマネジメントとの関係です。

本人に必要なサービスを考える立場が、ホーム側の都合だけに左右されないよう、ケアマネジメントの独立性を確保することが重要になります。

「どのサービスをどれだけ使うか」だけではなく、本人がどのような生活を送りたいのかを考える支援につなげていくことが求められています。

9.登録されないホームは、なくなるの?

登録されない有料老人ホームが、すべてなくなるわけではありません。

今回の改正では、一定のホームに新しい登録制度を設ける一方で、それ以外の有料老人ホームについては、届出を基本とする仕組みが残ります。

そのため、新しい制度のもとでは、登録の対象となるホームと、届出によるホームが存在することになります。

これからホームを探すときには、建物や費用だけではなく、そのホームがどのような人を対象とし、どのような介護・生活支援の仕組みを持っているのかを確認することが、これまで以上に大切になります。

10.2026年に、すぐ全部が変わるわけではありません

2026年に法律は改正されましたが、有料老人ホームの新しい登録制度が、2026年からすべて始まったという意味ではありません。

改正法全体には2027年4月1日を原則とする施行規定がありますが、有料老人ホームの登録制度などには別の施行時期が定められる規定があります。

2026年9月18日の時点でも、厚生労働省では「登録制の施行に向けた対応について」として、登録対象や登録基準などの具体化が検討されています。

そのため、今後示される政令・省令などを確認しながら、制度の開始時期や具体的な内容を見ていく必要があります。

まとめ|ホームを選ぶとき、「そこでどう暮らすか」まで考える

有料老人ホームを探すときには、費用、部屋、食事、立地などに目が向きやすいものです。

もちろん、どれも大切です。

しかし、介護が必要になってからの暮らしまで考えるなら、介護が必要になったら誰が支えてくれるのか、介護サービスの事業者は自分で選べるのか、ケアマネジャーはどのように決まるのか、介護度が重くなっても暮らし続けられるのかといったことも確認しておきたいところです。

有料老人ホームは、単に「介護を受ける施設」ではありません。

入居した人にとっては、そこがこれからの生活の場になります。

だからこそ、「どこで暮らすか」だけではなく、「そこでどのような支援を受けながら暮らしたいか」についても、本人の意思が大切にされることが重要です。

住む場所を選ぶことと、そこで受ける支援を選ぶこと。その両方が、その人らしい暮らしにつながります。

2026年の制度改正は、有料老人ホームに新しい規制を設けるだけではなく、ホームで暮らす人の生活と選択をどのように守っていくのかという問題にもつながっています。

参考資料・情報について

この記事は、2026年9月時点の厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律」に関する公表資料、「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」の資料などをもとに作成しています。

厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」
厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会(第9回)」
厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要」

この記事は2026年9月時点の情報です。
有料老人ホームの登録対象や登録基準などには、今後、政令・省令等で具体化される内容が含まれます。制度の施行に伴い、記事の内容を更新する場合があります。

本記事の作成にあたっては、資料の整理、構成の検討、文章表現の補助などに生成AIを利用しています。

ただし、制度に関する記載については、厚生労働省の公表資料等を確認しながら作成しています。

更新履歴

2026年9月19日 公開

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